医薬品向け測定技術:工程監視が不可欠な理由

Ivers-Lee社は、同社の医薬品と医療機器のコンビネーション製品の組立ラインにキスラーの統合型力変位監視を採用しています。センサおよび工程監視システムは、これらの自己投薬製品が最高の品質基準を満たすように、自動インジェクターおよびペン型システムの組立工程の最終段階で使用されています。

医療技術と医薬品業界の進歩により、患者は多くの疾患の治療を自分自身で管理できるようになりました。その一例が糖尿病です。この病気は豊かさの拡大とともに発症率が上昇しており、バランスの悪い食事と運動不足が組み合わさることで発症することが少なくありません。こうした数多くの疾患を自己管理することは、患者にとってもより快適であり、医師の診察を受けるために移動する必要もなくなりますが、このためには、全面的に信頼のおける、最高品質の使いやすい医療機器が必要になります。

とは言え、自己投薬に適した製品の販売承認を得るまでに、多くのハードルを乗り越える必要があります。中でも医薬品の効用を検証するために臨床試験が実施されますが、このような試験は非常にコストがかかり、多大な時間を要します。義務付けられている工程を合理化し、製品の市場投入までの期間を短縮するため、多くの医薬品メーカーがIvers-Lee社に協力を依頼しています。同社は、この分野で長年にわたりリーダーシップを発揮してきた伝統あるスイスの企業です。首都ベルン近郊のブルクドルフにあるIvers-Leeの本社では、100名の従業員が従事しており、それとは別に10名がドイツのレーラッハの施設で働いています。

統合型力測定技術が100%の検査を実現

Ivers-Lee社のCEOであるDr. Peter Schüpbach氏は、次のように述べています。「当社は、医薬品業界のお客様による市販製品の開発を支援しています。これを実現するため、生産、包装、ラベリング用ソリューションについての長年にわたる経験を活かしています」Ivers-Lee社の業務は、主にブリスターパックとスティックパック、さらにコンビネーション製品の組立に注力しています。このような医薬品と医療機器のコンビネーションキットの準備には、薬剤容器(シリンジ、ガラスバイアルなど)と共に、薬剤投与に適した機器の組立、包装およびラベリングが含まれます。患者はこれらのキットを使用して、自分自身の治療を管理できます。「当社の組立部門は、特に臨床試験との連携に成功しています。医薬品企業の開発パートナーとして、自社生産を独自に構築することなくコンビネーション製品を市場に投入できる、効率的なプラットフォームを提供しています」

Ivers-Lee社は、Ypsomed社が販売している2つのプラットフォーム製品(自動インジェクターとペン型システム)のパートナーでもあります。Ivers-Lee社と同様、Ypsomed社もベルン近郊のブルクドルフに本拠地があるため、すぐに連絡が取れ、緊密に連携できます。Ypsomed社の上級エンジニアであるReto Maffioli氏は、このパートナーシップについて次のように語ります。「当社は医療技術機器専門のメーカーであるため、医薬品の生産ライセンスはありません。そのため、当社の顧客には最終組立工程をIvers-Lee社で実施するオプションを提案しています。Ivers-Lee社はこの分野で豊富な実績があり、もちろん関連する認証も取得しています。同時に、私たちは当社の製品の最終組立工程について、言い換えると、医薬品と医薬品容器をどのように組み合わせれば最適かについても提案しています。Ivers-Lee社は、実証済みの仕様に従って動作する産業機械を使用しています」Ivers-Lee社では、ドイツの専門機械メーカーが製作した半自動システムを組立工程に使用しています。これらのシステムには、キスラーの統合型力変位監視ソリューションも搭載されています。この技術により、重要な組立工程の100%検査が確保され、最終製品の品質が保証されます。

工程の信頼性と透明性の高さが時間とコストを節約

この種の機械は実際にどのように使用されているのでしょうか。Ivers-Lee社のプロジェクトリーダー兼オペレーションマネージャーであるSimon Balasso氏は、工程全体を統括しています。彼は語ります。「第一に、Ypsomed社から供給される自動インジェクターからアクチュエーターモジュールを取り外す必要があります。その後、シリンジを当社のクライアントの薬剤に組み入れ、次の手順としてアクチュエーターモジュールを交換して確実に係合していることを確認します。この工程の最後の手順を構成するのが、包装とラベリングです」薬剤の入ったシリンジの挿入、アクチュエーターモジュールを入れ直す工程はどちらも、力変位監視システムによって監視されます。この機械には、キスラー製の小さな力を捕捉するための9323AAプレスフォースセンサと、maXYmos工程監視システムが搭載されています。

「キスラーの力変位監視ソリューションは大きなメリットをもたらしています。まず、この技術により、機械の承認が得やすくなり、それによる時間とコストを節約できました」とBalasso氏は語ります。「別の要素として、時として顧客のシリンジが許容範囲外である場合があります。この場合、より大きな力がかかるリスクがあり、スクラップ率が上昇します。薬剤のコストの高さを考えれば、当然ながら、いかなる状況でもこのような事態を回避することが重要になります」許容値は±0.5 mmと厳しいため、高い精度が要求されます。また、個々の手順をそれぞれ詳しく記録する必要があり、目標工程からのズレが発生した場合は特に記録が重要になります。

校正:メーカー直々の効率的なサービス

校正センサは、特に医療技術および医薬品環境に適用される、もう1つの重要な要件であると言えます。 計測装置を定期的に検証することは、測定された力が実際の値を間違いなく反映していることを保証し、医薬品をミスなく生産するための唯一の方法です。Balasso氏は語ります。「私は重要な再校正作業を計画していました。まず、専門の機械メーカーに連絡をしたのですが、そこで紹介されたのがキスラーでした。こうして、キスラーの測定技術のエキスパートと初めて連絡を取ることになりました。私はキスラーとの連携作業に極めて満足しています。サポートも迅速で、サービス技術者はすでに機械について詳しい知識を持っていたので、再校正プロセスを効率的に実施してもらえました」

業界へのキスラーの豊富な知識がここで重要な役割を果たしています。近年、キスラーは医療技術および医薬品業界の企業との緊密なコラボレーションを進め、こうした企業のニーズと要件を正確に把握しています。maXYmos TL工程監視システムの新しいMLバージョンは、こうした活動の成果の1つであり、FDA準拠のユーザ管理システムを提供します。また、事前定義のルーチンにより、プロセスバリデーションがさらに容易になります。

医療技術分野と医薬品業界との緊密な連携

「この取り組みでは、Ivers-Lee社に機械を提供し、工程を実装して最初の顧客プロジェクトの完了に至るまで、全体で約6~8か月かかりました」と、Balasso氏は続けます。「当社とYpsomed社が費やした時間が実を結び、製品開発のための顧客のさまざまな要件を効率的に満たす事が可能な、理想的なプラットフォームが完成しました。今のトレンドとして、念入りな包装で患者に安心感を与えるような、極めて高品質な高性能の製品が求められています」

Reto Maffioli氏はさらに付け加えます。「今日、市場投入までの時間が決定的な要因になることが多々あり、こうした場面でキスラーの力変位監視は大きな強みとなります。また、工程能力の確保、最終製品の品質保証にも役立ちます。さらに別の大きなメリットがあります。それは力変位曲線の分析から得られる確かなデータです。これは世界中の顧客と話合いをする上で必要な基礎となります。同じ土台で話し合えるので、工程評価と意思決定手順が容易になり、予定より迅速に進むことも多くあります」これは、患者が投薬を自己管理できる、将来的なアプリで制御する「スマート」システムにも当てはまります。こうしたシステムは、装置が正しく動作することを保証するだけではありません。患者は、医師や医療保険会社に明確で責任ある回答を行うための根拠として、保存したデータを使用できるようになります。そのため、自己投薬を継続的に改善し、あるいは新しい状態にあわせて適合することができます。

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