アウグスブルク専門大学チームが学生フォーミュラ大会で世界記録を保持

チーム「Starkstorm」の自動運転電動レーシングカーに搭載されているキスラーの速度センサは、常に正確な位置と速度データを提供しています。これらの情報はセットアップに不可欠な要素で、これによりアウグスブルクのチームは「アクセラレーション」部門で世界記録を保持しています。

ヨーロッパで最も名高い学生エンジニアのレーシングシリーズ「学生フォーミュラ大会」では、2年前から電気だけで駆動する自動運転モノポストのレースがプログラムに追加されました。アウグスブルク専門大学の「Starkstrom」チームは第1回から大会に参加し、昨シーズンは「アクセラレーション」部門で世界記録を樹立しました。このレースでは、コーンで区切られた幅3m、長さ75mのコースをできるだけ速く走り、その後100m以内で停止する必要があります。2018年にホッケンハイムリングで開かれたレースで、アウグスブルクのチームは4.267秒、約95km/hというタイムで優勝しました。

さらに、その数週間前に行われたシルバーストーンの大会では、「アクセラレーション」の他、「スキッドパッド」(8の字走行)、「トラックドライブ」(直進、カーブ、シケインなどのあるコース)の3つの分野の総合ランキングで1位を獲得しました(2019年以降は「オートクロス」部門追加)。 キスラーは、シルバーストーン大会の4週間前に、光学式センサ Correvit SFIⅡをチームに提供しました。「キスラーのセンサは本当に大きな助けになりました。Correvit SFⅡはIMU(慣性計測装置)と組み合わせ正確な位置データを提供してくれました。また、タイヤスリップから独立しているため、故障しやすいGPSの欠点を完璧に補うことができました」と話すのは、6年前からこのチームに参加し、長い間チームキャプテンを務めてきたMathias Pechinger氏です。彼は自動運転分野の応用研究で修士課程を無事修了したばかりで、「正確な速度フィードバックなどのおかげで、最初のテストで早くもブレーキテストをクリアすることができました」と、コメントしました。

正確な測定技術が成功のカギ

競争が最も激しいホッケンハイム大会は、シーズンの中でも特に重要な大会とされています。この大会で、「Starkstrom」チームはアクセラレーションの世界記録を達成しただけでなく、4位入賞を果たしました。「アウグスブルク専門大学はミュンヘン工科大学やチューリッヒ工科大学よりも規模が小さいのですが、これほどの成果をあげたのは本当に素晴らしいことだと思います」と、アウグスブルク専門大学のCarsten Markgraf電気工学教授は強調しました。これを実現するためには、例えば自動運転のための周辺検知やルートプランニング分野の技術的専門知識が必要になります。そこで、「Starkstrom」のレーシングカーにLiDARとカメラシステムを搭載し、それらのデータが、コースの変化を検出し、車両がコース上の走行を維持するようにしました。2018年のシーズンでは、絶対位置を検出するためにD-GPSモジュールを採用しましたが、これはスタートが遅く、およそフェイルセーフと言えるものではありませんでした。「キスラー製のセンサのデータにより、GPS信号のない時間を非常に上手くつなぐことができました」と、チーム内でカメラを担当した、同じく応用研究修士課程のChristian Scheglmann氏は話しました。

この成功の大きなカギとなったのは、非営利団体「社団法人アウグスブルク Starkstrom」 でエレクトロモビリティに関する応用研究に貢献している学生たちの協力です。この団体は企業の支援によって運営され、学生エンジニアが彼らのノウハウをレーシングコースで試せるよう、企業から資金や設備の提供を受けています。学生フォーミュラ大会についてPechinger氏は、「もちろん記録を作ったことは誇りに思いますが、重要なことはむしろそこから何かを学ぶかです。学生フォーミュラのモットー『重要なのはスピードを上げることでなく、よりスマートになること』は確かにその通りだと思います」と強調しました。

多くのことを自己責任で行う学生エンジニアたち

Markgraf教授は、企業と同じような組織の中で、大部分を自己責任によって活動する学生たちの指導的立場にあります。中心となるチームは、電子工学、機械工学、情報科学や経営学を専攻する学生たちで構成されています。「多くの学生はこのチームの中で成長し、彼らの個性を伸ばしています。課題の解決は非常に難しい挑戦ですが、問題のほとんどが研究内容に直結しており、自身の研究を実践の場で深めることができています」とMarkgraf教授は強調します。

必要に応じてドライバーがステアリングを操縦することもでき、ミニチュア形のクラシックなモノポストであるこのレーシングカーはすべてアウグスブルクの現場で製造されています。機械的/電気的構造のほか、自動運転のための機能についても目を向ける必要があります。Scheglmann氏は、「自動運転走行のレーシングカーは、従来よりもはるかに要求レベルが高くなってきました。前提条件として多くのことが必要になり、その上に追加の機能も加わったので、なかなか大変です」と語っています。Pechinger氏もまた、学生フォーミュラ大会に関してこう話します。「レースに出場するには、特にブレーキテストなどの厳しい規定をクリアしなければなりません。多くのチームがすでにこの段階で脱落してしまいます。多くの時間を費やして完成させたレーシングカーを壁に衝突させたくはないですからね。」

高精度、簡単接続、低ドリフト

キスラーの光学式センサ「Correvit SFII」は、CANバスを介して5msごとに最新の速度を送信することができます(x, y)。さらに、これをIMUと組み合わせることで、2msごとにスタート地点に対する車両の位置を計算できるようになります。アクセラレーションとスキッドパッドの競技の場合、これで十分です。「Starkstrom」はこれらの競技で常にトップクラスに位置しています。「センサを3~4日程度で専用ホルダで車両に組み込みました」とScheglmann氏は説明します。「最初は、センサから提供されるものに何の価値があるのか正直疑問でしたが、とにかく一度、組み込んでみることが肝心だと判断しました。接続は本当に簡単で、数値もスピーディに集まり、極めて確実に機能しました。このセンサは非常に正確に動作し、ドリフトがほとんどないため、短距離の場合、センサの信頼性はほぼ完璧と言えるほどです。

そのため、2019年にはD-GPSを完全にセットアップから外すことが計画されています。これにより、ナビゲーションは要求に応じてキスラーとIMUの測定技術だけで、あるいはキスラー、IMU、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping、開発中)によって行われることになります。2019年の春には、新しいセットアップをアスファルト上で集中的にテストする予定です。これによって学生フォーミュラ大会もまたさらに進化し、要求事項の多い新しい種目では基準もいっそう高く設定されることになるでしょう。最終的な目標は、自動運転の車が互いにサーキット上を走り、いずれは公道を走れるようになることです。Markgraf教授は最後に、「キスラーの光学式センサによって、学生たちは車両の能力をさらに広げる決定的な手段を手にすることになりました。もちろんチームの顔ぶれは毎年変わりますが、確実に進歩し続けています。今後もStarkstromがどう成長していくか楽しみです」とまとめました。

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