自動運転の開発をサポートするキスラー

自動車製造におけるダイナミックなトレンドのひとつに自動運転があります。この技術革新は、今後10年で世界中のモビリティを大きく変えていく可能性があります。キスラーはこのグローバルな進歩の一翼を担い、自動車開発と自動車の安全性につながる技術を通じてメーカーとエンジニアをサポートしています。

自動運転というと、多くの人は急激な革命的変化を思い浮かべます。しかし実際には、これも自動車の進化のひとつの過程です。すでに現在、ドライバーアシスタントシステムは走行の安全性と快適性を向上させており、いくつかのモデルには、使用範囲(高速道路)や速度範囲(40~60 km/h)の制限付きでオートパイロット機能が搭載されています。アシスト運転から始まり、部分的自動運転、高度自動運転、さらに完全な自動運転に至るまでの発展は急激に生じたものではなく、徐々に進んでいます。

アナリストや業界関係者は、2020年以降つまりこの先2年もしないうちに「ロボット自動車」が標準となるか、または利用できるようになると期待しています。これは特に新しい技術だけでなく新しいビジネスモデルをも生み出す極めて高い利益を期待できる市場で、例えば自動運転型自動車に基づく供給サービスや輸送サービスについては今後、全世界で何億もの売上が予測されています。従来の自動車メーカーだけでなく、供給サービスや輸送サービスといったITを活用する企業もこの市場に参加したいと考えるのも当然のことです。そのため、自動運転をめぐる競争が、商用車分野を含め、今後どのように展開していくのか非常に興味深いところで、スタートアップ企業やアジア圏(特に中国)の企業もこの流れに当然加わってくると考えられます。

車両安全技術の総合的プラットフォーム

キスラーは自動車業界の強力なパートナーとして、この市場を綿密に観察し、将来の課題に備えて準備しています。ロボット自動車で同じ機能の重畳設計が取り入れられなくなり、ステアリングホイールやペダルなしで済むようになれば(こうしたことは、これまで非常に限られた範囲でしか法律で許可されていませんでしたが)、車両の設計は根本から変わっていきます。乗員はドライバーから乗客となり、新しい空間コンセプトと利用コンセプトが生まれることになるでしょう。このことはすべて、キスラーが包括的なクラッシュテストポートフォリオで幅広く提供しているパッシブセーフティに大きな影響を与えます。

事故のさまざまな段階に対応した、実績のある優れた衝突試験センサや計測機器を備えた衝突計測壁に加え、キスラーは2018年に初めて独自のダミーを開発しました。この「Thor」(Test Device for Human Occupant Restraint)は現在市場で最も先進的な擬人化ダミーで、最大288の計測チャンネルに対応したDTI技術を装備し、NHTSAの認証を取得しています。この独自製品は、キスラー側でフレキシブルに取付けることができ、再現可能な結果を極めて高い信頼性で提供できるため、将来のエレクトロモビリティや自動運転への転換にも対応できます。

キスラーの車両安全技術事業部のThomas Warkentin事業部長は、「車両に限らず、道路交通においても複雑性が増しつつあり、衝突試験の重要性も増しています。すでに車両利用の変化を背景に、まったく新しいテストシナリオが生まれるようになったため、全体としてより多くの試験が必要になってきました」と話します。簡単な例では、車両が自動運転走行している場合、その中で乗員がどのような状態で乗っているのか、例えば寝ているのか、起きているのか、あるいは進行方向に対して横向きに特定の角度を取っているのかなど、正確に予測することはできません。新型THORダミーはすでにOEMで採用されています。これに伴い、キスラーでの生産量も継続的に増えていく見込みで、新しい製造棟の建設も計画されています。

自動車開発における優れた柔軟性と正確性

これ以外にキスラーが将来性のあるソリューションとして常時取り組んでいる分野は、ビークルダイナミクス、疲労耐久強度、タイヤ試験などの分野です。自動運転は、特に事故リスクの軽減(可能な限りゼロまで)と快適性の向上を約束していることから、走行特性、安定性や堅牢性に対する要件も変化し、いっそう厳しくなると予想されています。現在の車両では、主にハンドルを握っているドライバーによって意識され、ポジティブに認識される敏捷性やスポーツ性といった従来からのドライビングダイナミクス的特徴に焦点が当てられます。ドライバーが運転されている間は、特に静かな走行、快適な音響、モバイルの接続性といった走行快適性を享受します。そしてここに、車両試験における計測技術アプリケーションの現在の課題があります。

さらに疲労耐久の試験でも、自動化の進歩により、新たな要件とシナリオが生じています。アクティブなシャシーコンポーネントによる介入は、例えば室内試験のために記録され、次に設備の複雑な制御システムで確実に再現できる必要があります。そのために欠かせないのが、バスシステムやネットワークにおけるデータのスピーディなデジタル伝送です。キスラーグループは、DTI技術によって効率的かつ低コストで導入可能な先進的測定技術を幅広く取り揃え、技術的に完成した自動運転型自動車を量産できるようにする手段をOEMやサプライヤーに提供しています。

 

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