電気自動車/ハイブリッド車のパワートレインの開発・試験用パワーアナライザ

KiBox2 E-パワートレイン解析システムは、電気駆動およびハイブリッド駆動分野の研究開発に不可欠なツールとなる革新的なトータルソリューションです。このパワーアナライザは、統合・キャリブレーションから最適化・検証に至る開発プロセスの全段階を支援するために開発されました。パワーエレクトロニクス、インバータ、e-モーター、レゾルバなどの個々の駆動コンポーネントだけでなく、コンポーネントアセンブリの測定も可能です。直流／交流、高電圧／低電圧測定、エネルギー管理システムの解析など、あらゆる課題に対応する設計です。最大64測定チャンネルを備えたスケーラブルなシステムと強力な処理機能により、パワートレイン全体の必要測定信号を記録します。KiBox2 E-パワートレイン解析システムは、測定信号を専用ソフトウェアソリューションで即時処理するため、標準的なデータ収集システムとは根本的に異なります。これにより、アプリケーション固有の電動機械データの詳細な可視化と分析がリアルタイムで行われます。同時に、主に高電圧アプリケーションで使用される電流トランスデューサからの特定測定電流や、標準電流クランプからの信号も測定し処理することが可能です。

電動自動車のパワートレインのデータ取得と電力解析のために、KiBox2 E-パワートレイン解析システムは3つのコンパクトなコンポーネントで構成されています：

1. KiBox2 16チャンネル測定ユニット：チャンネルあたり2.5 MS/sの高速処理により、リアルタイム測定、計算、可視化のためのコンパクトでポータブルな電力アナライザ
2. HVAQ 4チャンネル高電圧モジュール：最大±1000 Vrms / ±1500 Vpeakの測定範囲を備えた電気的に絶縁された電圧モジュール。安全レベルは1000V CAT II / 600V CAT IIIです。
3. HCAQ 4チャンネル高電圧モジュール：外部ゼロフラックス電流トランスデューサの使用を可能にする電流コンディショナボックスにより、最大2000 Aの測定範囲を実現。

汎用性が高く、精密で、堅牢、互換性があり、効果的

システム全体は、テストスタンド自動化システムへの設置と統合が容易です。コンパクトで堅牢な設計により、車載テストシナリオにも適しています。走行中の車両テストはハードウェアに特有の要件が求められます。KiBox2 E-パワートレイン解析システムは車内に設置可能で、強い振動に耐え、車両の電源に接続できます。KiBox2の中核には、電動パワートレインの特定の要件に合わせて設計された強力なパワーアナライザーが搭載されています。これにより、電力の流れと損失を精密に測定・計算できるだけでなく、高解像度のデータストレージにより、詳細なオフライン分析も可能です

KiBox2はセットアップが簡単で、直感的なユーザーインターフェースを備えています。高度な信号処理により電力解析が簡素化され、損失を迅速に特定できます。インテリジェントなアルゴリズムにより、正確なリアルタイムサイクル検出が保証され、最大4分の1の電気サイクルまで柔軟に設定できます。すべてのデータはASAM互換形式（.mdf）で保存されます。カスタムワークフロー統合のために、対応するコンバーターを使用して他のデータ形式を出力できます。

クロスプラットフォーム電力解析用パワーアナライザ

電動パワートレインとレンジエクステンダーなどの燃焼技術を用いたパワートレインの両方において、単一のシステムで同時にパワー解析を行うことができます。クランク角度と時間ベースの計測値の同期データ取得と計算により、両方の領域におけるエネルギーフロー解析を統合的に行うことができます。さらに、機械トルクシステムをアナログまたはデジタル入力を介してKiBox2に直接接続できます。速度やトルクなどの物理パラメータをKiBox2に取り込むことで、KiBox2は機械的なパワー解析を含むアプリケーション範囲を拡大しています。

業界の動向に左右されない柔軟な動力測定 

代替駆動技術が台頭する以前から、車両効率は自動車業界における重要課題でした。電気駆動と内燃機関駆動の測定・解析を統合し、さらにトルクシステムからの機械的信号を記録する能力を備えたキスラーのシステムは、研究開発チームに求められる全てを提供します。測定データ処理のため、実績ある「Cockpit」ソフトウェアソリューションに新たに開発された「E-パワートレイン」アプリケーションモジュールが追加されました。データのさらなる処理を可能にするキスラーのjBEAM Powertrainソフトウェアにより、当社は全領域をカバーし、市場で最も包括的な総合ソリューションの一つを提供しています。