キスラーの測定技術を採用しウェイチャイの新型船舶用エンジンを最適化


中国の大企業ウェイチャイグループは、船舶用の新型V16エンジンの開発において、エンジン出力を最適化するためにキスラーの測定技術を採用しています。温度が変動する場合でも、16個のシリンダ間の相互作用を確実に作動させるために、さまざまなテクノロジーをセットアップして使用しています。

1946年創業のウェイチャイグループは、従業員数が約80,000人、年間売上げ(2018年度)が約1,600億人民元(約230億ドル)に達し、中国の上位100社に入る大企業です。また、多角的に事業を展開する複合企業でもあり、パワートレイン、ロジスティック、自動車、建設機械、ヨット、金融およびサービスという6部門に分かれて展開しています。キスラーは、20年にわたってウェイチャイ社と共同作業を行っています。単一のセンサからエンジン燃焼圧解析用のシステム全体に至るまで、キスラーの製品とソリューションの多くは、高品質と最高の性能を提供することを保証します。 ウェイチャイ社の数多くのテストベンチにはキスラーの技術が搭載されています。

Cylinder pressure sensor technology from Kistler for diagnostics, monitoring and control of large engines helps to reduce fuel consumption and CO2 emissions significantly.
Cylinder pressure sensor technology from Kistler for diagnostics, monitoring and control of large engines helps to reduce fuel consumption and CO

大型エンジン開発向けの革新的な「KiBox」のセットアップ

現在、中国で関心を集めているプロジェクトで、ウェイチャイ社は船舶用の新型V16ディーゼルエンジンの開発を進めています。開発担当者は高度な要件を満たすために、キスラーの最新の高性能機器を採用しました。測定技術分野のスペシャリストであるキスラーは、実績のある圧電式センサをはじめ、ハードウェアからソフトウェアに至るまで測定技術全体にわたる包括的なサービスを提供し、高い評価を得ています。こうしたサポートによって試作品での作業が無事に終了し、生産段階に移行することができました。この開発で特に課題となっていたのは、シリンダ圧力と噴射特性を厳密に監視し、大きな温度変動が生じてもエンジン作動の安定性を常に確保することでした。

16個のシリンダの同時監視には、型式 6045Bの圧力センサが用いられています。センサからの信号は、カスケード接続された2機の「KiBox」で記録・評価されます。キスラーのこの燃焼分析システムには、高い信頼性と定性的に優れた測定結果が得られるという特徴があります。そのコンパクトで堅牢な構造により、「KiBox」はモバイルでの使用やテストベンチに適しています。このシステムは、個々のシリンダ内の燃焼品質に関する詳細な情報を提供し、エンジン開発のカギを握るあらゆる特性データを、他の測定データやECU制御変数と同期させてリアルタイムで利用できるようにします。

トランスデューサエレクトロニックデータシート(TEDS)による「Plug & Measure」機能

すべてのシリンダ圧力センサには、トランスデューサエレクトロニックデータシート(TEDS)が装備されています。IEEE 1451.4に準拠したメーカー共通の基準に基づいており、該当するセンサをより簡単かつスピーディに取り扱えるようになっています。電子データシートを組み込まれているため、校正値を手動で入力する手間は不要です。センサは自動的に検知され、測定モジュールが特性値を読み取るという 「Plug & Measure」機能により、高いデータ品質が確保されます。また、TEDSはセンサのランタイムを検知し記録することもできます。

「内蔵TEDSと直感的に操作できるソフトウェアのおかげで、さまざまな種類のセンサ、ケーブル、モジュールで構成された複雑なセットアップとパラメータ化を効率的に進めることができました。私の知る限り、これは中国初となるカスケード式測定技術の適用例だと思います」

イチャイ社のV16プロジェクトマネージャを務めるJiangtao Xu氏は述べています

エンジン性能の監視によって最適化を実現

このセットアップの重要な要素となっているのが、キスラーの電流パルスセンサ2105Aです。このセンサは、最大8つのカスケード可能な測定チャンネルを通じて、噴射と点火タイミングの最適化をサポートします。センサはホール効果の測定原理に基づいており、集約された信号が「KiBox」に送信され、この信号からチャンネルごとのパルスが算出されます。そのために、16個のシリンダはそれぞれ4つのチャンネルを備える4つのセグメントに分割されました。

ウェイチャイ社のエンジニアは、シリンダ圧力と電気パルスに関するデータから、エンジンについてより詳細な情報を入手し、 作動中にシリンダのバランスを最適に保つために、エンジン制御の調整も簡単に実現できました。Xu氏はこう話します。「キスラーのソリューションは、開発の成功に大きな役割を果たしました。ここで得られた経験によって研究開発能力を伸ばすことができただけでなく、今後は新しい種類の船舶エンジンを設計することも可能になるでしょう。」

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